学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

2019-01-01から1年間の記事一覧

香港のデモについて

今、香港で起きているデモは、民主主義と自由主義を守る戦いである。前回の投稿記事で書いたように、民主主義と自由主義には「人民の武装」がセットになっている。政府の横暴に対して武力を持って反抗していった経緯がある。だからこそ、米国では民間人によ…

日本と韓国と

民主主義と自由主義の発祥はフランス革命(1789年5月5日~1799年11月9日:寛政の改革が行なわれている頃)に求められる。そのとき、民衆は武装をして政府に立ち向かい、「民権(人民主権)」を勝ち取った。欧州において、国家主権を国王(旧体制)から引…

歴史に学ぶ

第一次世界大戦以降、戦争による甚大な被害や総力戦となった壮絶さへの恐怖から、世界は平和を希求し、とりわけヨーロッパでは「あらゆる戦争に対して無条件に反対する」というような風潮が生まれた。そして、第一次世界大戦への反省と平和主義から、国際連…

AIのつくる未来

今月初頭、人工知能(AI)分野の人材育成を進めるため、文部科学省は今秋、全ての大学でAIの基礎を学ぶことができるよう全国共通のカリキュラム(教育課程)を作成すると発表した。ビッグデータ活用を学ぶ大学の事例などを参考に文系、理系の枠を超えた…

令和元年5月14日配信の記事について

2点ほど追記しておく必要性を感じた。 1つめは日本維新の会の丸山穂高衆議院議員に関することである。この件に関して、あくまでも僕は「言論の自由」を封殺してはならないという意味で、「極端思考」を受容しようということであり、丸山議員の議員たる資質…

思考実験は非現実的でよい

日本維新の会の丸山穂高衆議院議員の発言が問題になっている。少し引用しよう。 北方四島の「ビザなし交流」の訪問団に参加した日本維新の会の丸山穂高衆議院議員は訪問団のメンバーに「戦争で島を取り返すことには賛成か反対か」などと質問したことについて…

安定的な皇位の継承について

元号も「令和」に改まり、剣璽等承継の儀や即位後朝見の儀などの即位に伴う一連の儀式も始まった。テレビで映像を見ていると、天皇陛下の脇侍として、秋篠宮文仁親王殿下、常陸宮正仁親王殿下のお二人しかおられなかった。昭和から平成への御代代わりでは6…

ぼんやりとした世界

『大人の対応力』(齋藤孝 著)が売れている。職場や友人関係などの人間関係に悩む人向けに「質の良い大人」という「社会人らしい生き方」を伝授してくれるらしい。新時代に必読の「教科書」らしい。いわく、「ユーモアを持つ」、「グレーゾーンを残す」、「…

プロや職人の衰退は社会の衰退

「本職に任せる」とか「本職にはかなわない」というような表現がありますが、これはそれを専門とする人、玄人(くろうと)の取り組みにはかなわないという意味である。本来的には「本職」とは「その人がおもに従事する職業」であるが、上述したような表現の…

新元号 解題

新元号 早速にも練習をしてみました。「令」の字はなんともバランスの取り方が難しい。「和」のほうはいくぶん慣れている字でした。二番煎じ、三番煎じになることを覚悟の上で、改元を記念して備忘録として1つ記事を投稿しておきたい。 初春の令月(れいげ…

学習指導要領に見る社会の変遷

仕事にかまけてブログ更新をサボってきました。およそ2ヶ月ぶりの更新となります。年度末の忙しさは悲惨ですね。さて、この2月と3月は大学や専門学校の教員と交流し、また教員研修の講師としても活動をしてきました。この中で感じてきたことを今回は題材…

「老害」を考える

「老害」と一発で変換されたことにも驚くが、ウェブでその意味を引くと、「自分が老いたのに気づかず(気をとめず)、まわりの若手の活躍を妨げて生ずる害悪」と出てくる。当初は耳慣れない言葉であったが、その「害悪」が表面化・顕著化するにつれ、おそらくは…

世代間で継承されていくもの

一昨日の記事と昨日の記事は、ともに人物重視についての内容であったが、結局のところ、僕は何が「人物」なのかについて明言していない。当然、どう伸ばすか育てるかという議論も為されていない。今日の記事ではこのあたりについて述べてみたいと思う。 「あ…

人物試験というナンセンス

昨日の投稿記事に続いて、今日は人物試験なるものについて考えてみたいと思う。 昨日の記事の中で、僕は平成時代に進んだ人物重視傾向の教育および就活(採用)についての流れを説明し、しかし、人物重視ということ自体はエリート層においては戦前からも続く…

新しい時代へ

新年、あけましておめでとう。今年もよろしくお願いします。 「平成最後の~」というフレーズ、ほんと、メディアは好きですね。この数週間で何度聞いたことか。ちなみに、通常時であれば、メディアは「初の~」が好きですね。ひどい時には「※※を除けばこれが…