学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ワシントンへの不信と不満

以前の記事『今のアメリカの姿』で一度記事にしたが、今日は再びアメリカ大統領選挙を取り上げてみようと思う。以前の記事では、僕はトランプ氏を率直さと愚かさと傲慢さを持った「強いアメリカ」を体現する「アメリカ人らしいアメリカ人」と評した。そして…

信念について

「信念」は英語で表すとfaith、beliefである。faithはラテン語で「信じること(fides)」が語源であり、これは「信仰」という意味により近い。beliefはドイツ語の「神を信じる」というglaubenが元になったとも言われている(他説あり)。ということは、西洋に…

人口問題と資本主義

昨日発表された国勢調査の結果で、日本の人口が1億2711万人となり、1920年の調査開始以来はじめて人口減となったと報道された。ここで注意しておきたいのは、この数値には外国人も含む総人口の減少ということである。死亡者数が出生者数を上回る自然減は200…

ドラッカーから学ぶこと

経営学の神様、ドラッカーのセリフに「未来に何かを起こすには、勇気と努力と信念が必要である」というのがある。これに初めて接した時、勇気と努力にはなにも感じず、それはそうだよな程度の感想であったが、「信念」という文字が続いて出てきたとき、はっ…

経済構造のパラダイムシフトと人材育成

久しぶりの読書録である。今回取り上げるのは次の書籍である。 なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書) 作者: 冨山和彦 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2014/06/14 メディア: 新書 この商品を含むブログ (12件) を見る これまで経済学では世界を…

朱に交わりながらも赤くならず

昨日の投稿に読者モルガンさんからのコメントが付いたので、それについて、今日は「僕の回答」という形で寄稿してみようと思います。 雇用・労働形態においては私も日々苦しんでおります。そこでこの終身雇用の撤廃やダブル・スタンダードの導入は非常に良案…

ダブル・スタンダードな政策を

国民1人当たりのGNPの比較をしてみる。 日本円に換算すると、およそ385万円である。もちろん、2009年に日本を抜いてGDP世界第二位となった中国の一人あたりのGDPには悲しいものがあるが、世界第三位の日本とてイタリア・スペインにかろうじて勝っている程度…

境界線を意識すること

今日でブログ開設から6ヶ月が経ちました。いつも読んでいただき、ありがとうございます。ブログは「表現の自由」の手段ツールの1つですが、これについて今日は考えてみたいと思います。 「表現の自由」は「表現の暴力」と紙一重である。あるものが「表現の…

テクノロジーの波

僕が生きているうちだとしても、現役を引退する頃の話だろうと思っていたが、イギリスの新聞が以下のような声明を発表した 英紙インデペンデントは12日、紙の新聞の発行を3月で停止すると発表した。その後は、インターネットによるデジタル報道に特化すると…

雑誌について

僕は雑誌を読むことを推奨している。時事に精通することは教養人としてのみならず社会人としても必須のことと思うからである。身の回りのことにしか目の行き届かない人は、それだけその人の世界が狭くなることを意味する。自分の周りにある出来事は、その外…

建国記念「の」日

今日は「建国記念の日」です。 ところで、世界の建国記念日は、それぞれの国情に合わせて決められている。たとえば、アメリカをはじめとした旧植民地の場合は多くが独立に関連した記念日(宣言・署名・革命など)になっているし、ドイツは東西ドイツ再統一の…

教師を育てる

2016年2月3日、文科省による英語力調査の結果が発表された。去年のものよりは少し改善しているものの、高校3年間の教育課程を無に帰すかのような結果である。文科省の政策は以下のようなものである。 グローバル人材の育成に向けた取組として、外部試験団…

資本主義の終わりの始まり

当ブログでは、『近代の倒壊』を認識の基底に置いている。近代が生み出した偉大なものは、民主主義、そして民主主義を担う中間階級と労働者階級を生み出した資本主義、それらを取り巻く価値観である。それらが倒壊しつつある。現在は、江戸時代の封建社会が…

今のアメリカの姿

事実上のアメリカ大統領選挙が、アイオワ州から始まる。今日はそれについてのお話。 今、トランプ氏が高い人気を誇っている。それはトランプ氏がタブーをものともせぬ率直な物言いで強いアメリカを標榜しているからだ。しかし、同時にその率直さは愚かにもな…