学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自己研鑽の必要な理由

誠実さというものには、人を信じるという前提が伴う。そして、疑心暗鬼や自暴自棄、被害妄想に駆られがちな弱い人間にとって、この「人を信じる」という行為は非常に難しいものである。 性分として人を信じられない人がいる。そのような人たちは平気で人を裏…

言葉の魔力 その2

前回の投稿に続き、言葉に関する考察をしていきたい。 日本には「言霊(ことだま)」という思想がある。言葉には不思議な霊力が宿るという意味である。口に出した言葉が現実の事象に影響を与えると信じられてきた。非科学的と退けようとも、これは史実である…

言葉の魔力 その1

言葉を口にするまでは、あなたが言葉を支配する。しかし、いったん口にしてしまえば、今度は言葉があなたを支配する。 僕はこの言葉を戒めとして心に留めている。人と人との信頼関係は社会の基本に位置するものだが、その信頼関係は誠実さを基調としながらも…

理想の自分の作り方

価値観というのは、非常に扱いにくいものである。それは個人から集団に至るまで、さまざまなレベルの思考傾向を包含している言葉だからである。かつ、他者の価値観を尊重せねばならないから、なお一層、厄介なものである。 たとえば、「価値観の不一致」を理…

文章は美学である

国語的な決まりはないらしいが、文章を書いたり読んだりしていると、国語の記述方法で気になることがいくつかある。たとえば、漢字で書くべきか、平仮名で書くべきか、という問題がある。 「気になること」か「気になる事」か。「思うこと」か「思う事」か。…

近代の超克

このブログの副題は、『ポストモダン、ポストナショナル、ポストグーテンベルク、ポストヒューマンな時代に考える』であるが、これを一言で言うと、『ポスト近代に考える』ということである。そこに『民主主義』を添えているのは、僕の専門が政治学というこ…

武士は食わねど高楊枝

最近の日本人に欠けているもの。それは「見栄」「建前」ではないかと思う。「体裁を大切にする心」と言い換えてもいい。 というのも、「見栄」や「建前」は自尊心を育み、自律心を育てるものだと思うからである。人間は弱い生き物だという前提に立っている僕…

成人式に寄せて

昨日と今日に掛けて、全国で成人式が挙行された。もう風物詩ともいえるが、全国から新成人が逮捕されるというニュースが寄せられている。こうした風景から成人式を行政府が挙行する意味はあるのか、税金を投入してまですることかという批判が上がる。しかし…

六曜は世俗だ

大分県佐伯市で作成したカレンダーが配布中止になり、その後、市長のお詫び文を添えたうえで政治的判断により配布することにしたという。配布中止になった理由は、大安や友引、仏滅などの六曜表示が差別を招きかねないから、という。 これほど意味不明なニュ…

松の内

まだ松の内(関東では7日)ということもあり、正月気分抜けやらずといったところではありますが、この年末年始に感じたことを綴ります。 まず、初詣に出掛けたのですが、この時、正月三ヶ日も働いてくれている人がいるおかげで初詣ができるのだなぁと、しみ…

丙申 新春

ブログをご覧のみなさま、新年あけましておめでとうございます。今年は丙申(ひのえさる)です。今年が申年と知っていても、丙であることを知っている人は少ないかもしれませんね。「干支(えと)」という場合、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし…