学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

時事論考

建国記念「の」日

今日は「建国記念の日」です。 ところで、世界の建国記念日は、それぞれの国情に合わせて決められている。たとえば、アメリカをはじめとした旧植民地の場合は多くが独立に関連した記念日(宣言・署名・革命など)になっているし、ドイツは東西ドイツ再統一の…

武士は食わねど高楊枝

最近の日本人に欠けているもの。それは「見栄」「建前」ではないかと思う。「体裁を大切にする心」と言い換えてもいい。 というのも、「見栄」や「建前」は自尊心を育み、自律心を育てるものだと思うからである。人間は弱い生き物だという前提に立っている僕…

成人式に寄せて

昨日と今日に掛けて、全国で成人式が挙行された。もう風物詩ともいえるが、全国から新成人が逮捕されるというニュースが寄せられている。こうした風景から成人式を行政府が挙行する意味はあるのか、税金を投入してまですることかという批判が上がる。しかし…

六曜は世俗だ

大分県佐伯市で作成したカレンダーが配布中止になり、その後、市長のお詫び文を添えたうえで政治的判断により配布することにしたという。配布中止になった理由は、大安や友引、仏滅などの六曜表示が差別を招きかねないから、という。 これほど意味不明なニュ…

松の内

まだ松の内(関東では7日)ということもあり、正月気分抜けやらずといったところではありますが、この年末年始に感じたことを綴ります。 まず、初詣に出掛けたのですが、この時、正月三ヶ日も働いてくれている人がいるおかげで初詣ができるのだなぁと、しみ…

個の尊重の行き着く先

夫婦別姓が違憲でないという判決を最高裁が出した。僕はこの結果を目にした時、ホッとした。語弊を恐れずに言えば、まともな感覚の結果だと認識している。両性の尊重というのは、法律上は為されているわけで、結婚後に実際には夫の姓氏を名乗るのが95%とは…

特別扱いは死を招く

さて、消費税10%が施行されるのに伴い、昨日16日、「食料品」と「新聞」は8%のままに据え置くと発表された。これで、違和感を覚えた人はかなり多いと思う。 「食料品」については、ずいぶんと途中経過を聞いてきた。同じものでも外食するのか持ち帰るのか…

堪え性のない社会

僕自身を含めて、最近は堪え性のない社会になったように感じる。注文してすぐに届く宅配などは、その過剰なサービスの代表的なものと思う。インターネットを通じた会話でもすぐの返事を期待したり、「既読」になったのに返事がないと精神を病み始めたり、鉄…

来年の手帳

早いもので、今年も最後の月となりました。ということで、来年に使う手帳をアレコレ探していたのですが、来年は『EDiT』という手帳の≪Brilliant B6変型≫のブルーにしました。 1日1ページの手帳です。 2年前に使っていました。リピートです。実は文房具マニ…

マナーの瓦解

僕は電車通勤をしているのだが、最近、つとにいろいろな場面でマナーの悪い人に出会う。マナーは道徳心の問題でもあり、よく言われているのは「若者のマナーの悪さ」である。しかし、ふと気が付いたことがある。マナーが悪いのは50代以上のおじさんやおばさ…

価値観の対立が行き着くところ

18日に投稿した「パリ同時テロについて」の記事の中で、僕は話し合いができないほどに価値観に隔たりがあり、軍隊同士の戦いのうちは引き際や交渉が成り立つが、全面降伏か皆殺しかという選択肢しか理論的には成立しないと書いた。「軍隊同士の戦いのうち」…

パリ同時テロについて

パリで悲惨な事件が起きた。これに関する考察をする前に、まずは犠牲者に哀悼の意を捧げ、遺族に弔意を表し、そして今なお生死の境をさまよう人たちの回復を願う。 今回のテロ事件を振り返るに、僕は最初に第二次世界大戦時のヒットラーを思い出した。ヒット…

ハロウィンに思うこと

ハロウィンが盛り上がりを見せている。渋谷での大混雑が話題となり、その経済的影響がバレンタインやクリスマスを超えたとか、あるいは本来はケルト民族の収穫祭だという本旨説明とか、マスコミやネットで取り上げられている。そうしたものを目にしているう…

迷走する日本

こんなニュースが飛び込んできた。今年は就職活動時期を後ろ倒しして8月から筆記面接試験などの選考活動を行なうとしてきたが、企業の足並みは乱れ、大企業の混乱は中小企業の採用活動に大きな影響を与え、現場は混乱した。来年は再び日程変更をし、6月に…

落としどころ

人間関係にはすべて落としどころが存在する。この落としどころを見極めることはなかなか難しい。 三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市の大型マンションを巡る事件では、旭化成はずいぶんと誠実な対応をしていると思う。もっとも、うがった見方をすれば…

中国の粗が目立つ

ここ3日間ほど、熱にうなされていた。昨日からようやく回復基調に乗った。咳は先週木曜あたりからだったので、ほぼ一週間の風邪っぴきさんとなった。年を取ると年々、病気からの回復に時間を要するようになる。健康には留意しなければとの思いをますます強…

トゥキディデスの罠と国際秩序

紀元前5世紀、新興のアテネと、それに対抗する既存勢力のスパルタとの間にぺロポネソス戦争が起きた。ここから歴史家のトゥキディデスは「新興の大国は必ず既存の大国へ挑戦し、既存の大国がそれに応じた結果、戦争がしばしば起こってしまう」との法則を見…

反知性主義

最近、「反知性主義」という言葉をよく耳にする。「反-知性」と「主義」という言葉の組み合わせで、「主義」というからには一定の信念を含む概念であろう。その含む価値観は何かというと、「反知性」、すなわち「バカ」である。「知性に反対する」と言うだ…

仏の話に耳を傾けよ

まぁ、なんというか、宗教家は世俗のことに口出ししないほうがいいと思う。宗教の世界に生きていれば「いい話」をする人で終わるのだろうが、政治の話を「法話」として語ってくるのであれば、それは仏教への冒涜であるように感じる。世俗の話として、この「…

安保関連法案の論点整理

今般の安全保障関連法案がなにか、不明な人も多いことだろう。もっとも、こんなに国民的議論になっている安全保障関連法案を知らない人が多いのは不思議でもある。賛成派も反対派も何に賛成し、反対しているのか、不明なままに意思表示をしているような感す…

デモはデモでもデモ違い

安全保障関連法案をめぐって、国会周辺で、あるいは日本全国あちこちでデモが行なわれている。多く報道された場面で、「国民の声を聴け」とか「国民の声を無視するな」と叫び、反対として集まった群衆の大きさを誇張して伝えていた。17日に参議院の委員会を…

人類の壮大なる実験

今年だけでヨーロッパに流入した難民の数は、45万人に及ぶという。この数字のすごさは比較を通してより明らかとなる。 東京都江東区の人口は23区中8位の46万人、東京都葛飾区の人口は同9位の44万人である。日本で一番人口の少ない都道府県は、鳥取県の57万…

立法の仕事と司法の仕事

今回の安全保障法案をめぐる一連の議論を見ていると、抽象的論議の限界を感じる。 「集団的自衛権」「限定的な行使を容認」「我が国の存立が脅かされる事態」などをめぐって、定義が問題になっている。たとえば、負傷した他国の軍人を日本の病院施設に収容す…

非礼な意見表明

今、安保法案が巷間の話題に上っているが、少し整理してみたい。 基本的に賛成派・反対派の主張は平行線である。お互いがお互いを「分からず屋」と思っていることだろうと思う。それは同じ現象をどう捉えるかという価値観と視座の問題だからである。テレビで…

イデオロギーの終焉

ダニエル・ベルが1960年に刊行した「イデオロギーの終焉(The End of Ideology)」では、先進資本主義諸国における「豊かな社会」の到来とともに、階級闘争を通じた社会の全面的変革なる理念はその効力を失ったとされた。ベルやシーモア・M・リプセットを代…

大人の学び

最近、書店で大人のための「学び直し」がブームのようである。山川出版の「もう一度読む」シリーズがブームの発端であろうか。 もういちど読む山川世界史 作者: 「世界の歴史」編集委員会 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2009/09 メディア: 単行本 購…

生き延びる知恵

『孟子』の一節に「以小事大」(=小を以って大に事える)というのがある。そこには小国の越が呉に仕えた例が知恵として書かれている。つまり、大国を相手取った「小国のしたたかな外交政策(知恵)」である。しかし、後世になると、「小国はその分を弁えて…

矛盾だらけの人々

中国で抗日戦争勝利70周年を記念した行事が取り行われた。アチコチに突っ込みどころ満載で、なにからどう書けばよいやらという感じだ。まずは、記念撮影を見てもらいたい。 真ん中に習近平国家主席夫妻が「鎮座」し、左にロシアのプーチン大統領、右に韓国の…

なんか気持ち悪い

9月3日、次の二つのニュースに触れて、気持ち悪さを感じた。 オバマ大統領 戦後の日米は「和解の模範」 NHKニュース “最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇示 “最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇示“最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇…

ネットの力

オリンピックのエンブレム白紙撤回問題を巡って、ネットの力が発揮されたという。このあたり、正直なところ、僕はまだ現実に追いつけていない。 ネットの力では、2010~2011年に起きた「ジャスミン革命」がすぐに思い浮かぶ。チュニジアで一人の青年の焼身自…