学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

政治論考

民意という至高の声

都議会議員選挙が終わってから、マスコミ報道でチラホラとお決まりのような遣り取りを耳にする。番組を変えても局を変えても同じだから、少し異様なものも感じる。次の遣り取りを耳にしていないだろうか? マスコミ「小池チルドレンが誕生し、議会(立法府)…

本質的モノの見方

少し前から政府が「働き方改革」を推進している。日本人は「エコノミック・アニマル」だと海外から揶揄され、働きバチに喩えられてきた過去からすると、社会風潮の移り変わりを感じずにはいられない。僕が少年だった頃の常識はどんどんと覆っていく。「亭主…

再生が求められるとき

先の5月21日の投稿(「論理と人情」)の中で、「ご退位検討をめぐる有識者会議での発言に陛下がショックを受け、不満を示された」との毎日新聞報道が宮内庁によって否定された。そのような事実は全くないということだった。 僕は前回の記事を書いた段階で、…

論理と人情

先帝陛下のご兄弟は、秩父宮様、高松宮様、三笠宮様がおられ、三笠宮様には寛仁親王殿下、桂宮様、高円宮様がおられたが、すでにお隠れになられた。今上陛下のご兄弟には常陸宮様(81)がおられる。皇位継承者は徳仁親王殿下(57)、文仁親王殿下(51・秋篠…

言葉を語る職業

「政治家」を英訳するとき、気をつけねばならないことがある。それは、politician と statesman の2つの英単語があるからだ。言葉が複数ある以上、これらには必ず相違がある。ということで、まずは辞書にあたってみよう。 [politician]A politician is a pe…

日本という国のかたち

日本という国は、「二重構造」の国だと思うんです。美濃部達吉の「天皇機関説」というのがあって、日本では昔から天皇が権威を持ち、実権に正当性を与えてきたというような説明を受けるんですが、天皇にも実権はあったと思います。でなければ、中国のように…

歴史はイギリスから始まる

アメリカ大統領選挙が予想外な結果に終わり、驚きを持ってその結果を受け止めた。もっとも、僕の知性が愚かだから驚きであったのかもしれない。 今年9月27日のブログ記事「米国の大統領選」の中で、長い大統領選は候補者も国民も双方が国政について学び、考…

政治家の資質

TPPを巡る国会の攻防戦が続いているが、民進党は非常に見苦しい。党首の「あなたがそれを言うか」という発言が相次ぎ、自ら身を正すべきではないかと呆れつつ、ニュースに接している。あのいつも立てている長い襟を正すべきと思いながら。もし僕の発言が…

欺瞞の世界

核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択された。この決議はオーストリアなど核兵器を保有しない50か国以上が共同で提案したもので、核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定…

議論のルール

かつてインターネット上で「フィンランドの小学5年生が考えた議論のルール」なるものが流れた。これは以下の本で紹介されたものだという。この本の紹介と「議論のルール」を以下に記す。 図解 フィンランド・メソッド入門 作者: 北川達夫,フィンランドメソ…

米国の大統領選

クリントン氏とトランプ氏の支持率が拮抗している。クリントン氏が46.6、トランプ氏が44.3である。そして、今日から公開討論が行なわれる。 今日の第1回はニューヨークで開かれ、そのテーマは「内政」である。第2回はミズーリで行なわれ、ここでは有権者か…

怖い熱病

小池都知事がリオ・パラリンピックに旅立つ直前、政治塾を開設する意向を示しました。これは、翌日に自民党都議連が知事選挙の時に小池氏を応援した区議らに離党勧告を出したものに先手を打ったものと思われるが、こうしたあたり、したたかに政治家だなぁと…

「都民ファースト」の危うさ

小池都政が本格的に始動した。築地市場の豊洲移転の延期を決め、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会議長の森喜朗氏との会談もすべてマスコミに公開しての会議とするなど、矢継ぎ早に行動している。9月28日から始まる都議会へ向けて、副…

政治への信託

世界における最近の選挙関連を見ていると、政治に対する信託の危機にあると思える。英国におけるEU離脱の国民投票や米大統領選のトランプ氏優勢、東京都知事選挙における小池女史の躍進など、既存の支配階級に対する国民の「NO!」は世界的現象のように見え…

人が言葉を持つということ

さて、こういうのは、どのように解釈したらよいのだろうか。さんざん中国は攻めてこない、自衛隊はいらない、米軍はいらないと言ってきた人々が、目の前に脅威が迫ると、このように言い始める。ともに酒を酌み交わして理解し合い、9条を盾に脅威に立ち向か…

都知事選で推す候補表明

東京都知事選が展開されている。およそ候補者の公約なども明らかになってきた。そこで、ブログも一つのメディアであるから、欧米のメディアに倣って、当ブログでも政治的立場を表明しようかと思う。特定の思想がどうというのではなく、今回の都知事選におい…

主権者として考えよ

陛下の生前譲位にまつわるニュースが14日(木)午後7時、NHKによりスクープされた。まず、指摘しておきたいことは、この話題はスクープ記事には馴染まない。宮内庁の公式発表を待つべき内容であり、宮内庁への取材を進めていく中で宮内庁声明として引き…

東京都知事選告示前

7月11日、エネルギー閣外相のアンドレア・レッドサム女史が保守党党首選を辞退したため、テリーザ・メイ内相が保守党の党首となることが決まった。これを受け、キャメロン首相は7月13日に首相を辞任し、同日、メイが首相に就任する。英国には議会での首相指…

英保守党の党首選

退院からおよそ2週間が過ぎた。最初の1週間は自宅で安静にしつつ、毎日、散歩に出かけた。9日間の入院生活だったが、思ったよりも体力が低下していた。散歩から帰宅したら、いつの間にか昼寝というのが日課になっていた。そして、今週から仕事に復帰し、…

18歳選挙権をどう見るか

6月19日に改正選挙法が施行されて、今夏の参議院選挙より18歳選挙権が実施される運びである。これをめぐって、テレビや新聞などで議論が交わされている。施行されてから何をいまさらとも思ったが、実際に18才、19才の新有権者に投票に行くかどうかと問い掛…

そもそも政党とは

今回は政党について考察をしたい。Wikipediaによると、次のように定義されている。 政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の…

ワシントンへの不信と不満

以前の記事『今のアメリカの姿』で一度記事にしたが、今日は再びアメリカ大統領選挙を取り上げてみようと思う。以前の記事では、僕はトランプ氏を率直さと愚かさと傲慢さを持った「強いアメリカ」を体現する「アメリカ人らしいアメリカ人」と評した。そして…

今のアメリカの姿

事実上のアメリカ大統領選挙が、アイオワ州から始まる。今日はそれについてのお話。 今、トランプ氏が高い人気を誇っている。それはトランプ氏がタブーをものともせぬ率直な物言いで強いアメリカを標榜しているからだ。しかし、同時にその率直さは愚かにもな…

六曜は世俗だ

大分県佐伯市で作成したカレンダーが配布中止になり、その後、市長のお詫び文を添えたうえで政治的判断により配布することにしたという。配布中止になった理由は、大安や友引、仏滅などの六曜表示が差別を招きかねないから、という。 これほど意味不明なニュ…

国会議員の育休はダメ

国会議員が育休を取るかどうかで議論があるので、一石を投じてみたい。 僕は国会議員が育休を取ることには反対である。その理由は2つある。 ・国会議員は被雇用者ではない(労働基準法も適用されない) ・有権者の代表人(代議士)である まず、国会議員は…

18歳選挙権について

来年から選挙権が18歳に引き下げられる。具体的には来夏の参議院選挙から適用されることになる。今年の6月に法律が成立し、1年間の周知期間を経ての実施となるからである。選挙権の年齢が変更されるのは、1945年の25歳から20歳への変更以来、70年ぶりのこ…

価値観の対立が行き着くところ

18日に投稿した「パリ同時テロについて」の記事の中で、僕は話し合いができないほどに価値観に隔たりがあり、軍隊同士の戦いのうちは引き際や交渉が成り立つが、全面降伏か皆殺しかという選択肢しか理論的には成立しないと書いた。「軍隊同士の戦いのうち」…

制度とその運用

僕の専門は「比較制度論」なのですが、「制度論」なんてものをしていると、時々、虚しくなることがある。というのは、結局は「運用している人の問題」に行き着くからだ。どのような制度を制定するにしろ、そこには必ず運用する人の存在と離れて存在すること…

生活保護の精神

10月9日、神奈川県議会県民企業常任委員会で、朝鮮学校に通う児童・生徒へ直接支給する学費補助金を受給している生活保護の5世帯のうち、4世帯が計約52万円を、年収250万円未満の非課税世帯の49世帯のうち45世帯が計約841万円を朝鮮学校に納付していたこ…

トゥキディデスの罠と国際秩序

紀元前5世紀、新興のアテネと、それに対抗する既存勢力のスパルタとの間にぺロポネソス戦争が起きた。ここから歴史家のトゥキディデスは「新興の大国は必ず既存の大国へ挑戦し、既存の大国がそれに応じた結果、戦争がしばしば起こってしまう」との法則を見…

仏の話に耳を傾けよ

まぁ、なんというか、宗教家は世俗のことに口出ししないほうがいいと思う。宗教の世界に生きていれば「いい話」をする人で終わるのだろうが、政治の話を「法話」として語ってくるのであれば、それは仏教への冒涜であるように感じる。世俗の話として、この「…

国民の姿は国会議員の姿

まずは産経新聞の記事を見てほしい。 ここで注目したいのは、「衛視から『示威行為に当たる』として注意を受けた」点である。山本太郎議員による喪服&数珠&焼香の物真似はパフォーマンスと報道されたが、これもデモンストレーションであり、「示威行為」で…

安保関連法案の論点整理

今般の安全保障関連法案がなにか、不明な人も多いことだろう。もっとも、こんなに国民的議論になっている安全保障関連法案を知らない人が多いのは不思議でもある。賛成派も反対派も何に賛成し、反対しているのか、不明なままに意思表示をしているような感す…

デモはデモでもデモ違い

安全保障関連法案をめぐって、国会周辺で、あるいは日本全国あちこちでデモが行なわれている。多く報道された場面で、「国民の声を聴け」とか「国民の声を無視するな」と叫び、反対として集まった群衆の大きさを誇張して伝えていた。17日に参議院の委員会を…

21世紀の自然状態

鬼怒川が決壊した常総市に本社を置く菓子メーカーの駄菓子や、農林水産省が14年12月に発表した平成25年農業産出額で6年連続全国2位を獲得した茨城県の野菜や果物を「食べて支援しよう」という動きがツイッターで広がっているという。現地に赴いてのボラン…

人類の壮大なる実験

今年だけでヨーロッパに流入した難民の数は、45万人に及ぶという。この数字のすごさは比較を通してより明らかとなる。 東京都江東区の人口は23区中8位の46万人、東京都葛飾区の人口は同9位の44万人である。日本で一番人口の少ない都道府県は、鳥取県の57万…

儚いほどの主権者

「国民主権」「主権在民」とは、日本の政治の在り方を規定した概念である。すなわち、「国の権力は国民が持ち、政治は国民によって行なわれる」ということである。これを一言で「民主政治」という。 さて、ここで少し立ち止まって考えてみよう。 「主権」と…

非礼な意見表明

今、安保法案が巷間の話題に上っているが、少し整理してみたい。 基本的に賛成派・反対派の主張は平行線である。お互いがお互いを「分からず屋」と思っていることだろうと思う。それは同じ現象をどう捉えるかという価値観と視座の問題だからである。テレビで…

ダウントン・アビー

僕の大好きなイギリスのドラマ『ダウントン・アビー』をめぐって、「シネマ・トゥディ」が次のように報じた。 最終シーズンを迎えるテレビドラマ「ダウントン・アビー」は、エリザベス女王をもとりこにしているとPeopleが報じた。 「アット・ホーム・ウィズ…

イデオロギーの終焉

ダニエル・ベルが1960年に刊行した「イデオロギーの終焉(The End of Ideology)」では、先進資本主義諸国における「豊かな社会」の到来とともに、階級闘争を通じた社会の全面的変革なる理念はその効力を失ったとされた。ベルやシーモア・M・リプセットを代…

矛盾だらけの人々

中国で抗日戦争勝利70周年を記念した行事が取り行われた。アチコチに突っ込みどころ満載で、なにからどう書けばよいやらという感じだ。まずは、記念撮影を見てもらいたい。 真ん中に習近平国家主席夫妻が「鎮座」し、左にロシアのプーチン大統領、右に韓国の…

なんか気持ち悪い

9月3日、次の二つのニュースに触れて、気持ち悪さを感じた。 オバマ大統領 戦後の日米は「和解の模範」 NHKニュース “最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇示 “最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇示“最新兵器”パレードで 習政権の力、内外に誇…

カラスへの名誉棄損

「烏合の衆」という言葉がある。この言葉を使おうと思って、ふと立ち止まった。この表現は、カラスが集まってカァーカァーとやかましい状況を指し、そこから規律も統制もなく、ただ寄り集まっただけの役立たずの群集や軍隊のことを意味するようになった。 当…

泥縄

安全保障関連法案に関して、当ブログでも一言、付言しておきたい。 安全保障関連法を成立させると、やれ徴兵制が始まるだの、やれ戦争が始まるだのという立場の人たち(主に野党や一部の運動家)がいるが、僕の立場は、それらと真っ向から対立する。誰かが指…

中国という民主国家

中国は民主国家である。こういうと首をかしげる人が多いかもしれない。だからこそだろう。中国共産党機関紙がフランスの新聞に鋭く反応している。フランス国際放送、RFIのニュースサイトで「今の平和主義の日本が、軍拡主義の中国に服従することはない。…

『意識高い系(笑)』追加記事

2015年8月27日(木)配信の『意識高い系(笑)』記事に関連して、東洋経済オンライン 8月29日(土) 6時00分配信の『志願者が殺到する「人気の大学」トップ100』の記事の中に興味深い報道を見かけたので、追記しておきたい。 「最近の入試では、就職を考えな…

モノの見方

モノの見方にはいろいろなものがあると思う。時にはこれが原因で対立したり、議論が平行線のままに終わってしまうこともあるだろう。相手を理解できないとか、「斜め上からの回答」という状況を生んでしまう。今日はそんなお話。 西欧の近代合理主義的な自然…

アメリカ流『国民の育て方』

アメリカ大統領選挙のニュースが入り始めた。これから来年にかけて盛り上がりを見せてくるだろう。前々回選挙では,アメリカもずいぶんと寛容になったものだと感じた。移民で成立する人工国家は,民主共和両党ともに世界的には保守的であり,米国民も保守的…

ヒーロー渇望症候群

最近,甲子園での高校野球に関する報道を見ていて,本当に日本人はヒーローが好きなんだなぁと思う。野球は少なくともチーム戦のはずであるが,ある特定の選手以外は蚊帳の外である。ある活躍した高校一年生をして「~の夏,終わる」というタイトルの付け方…

命の価値を下げる行為

「学生ハンスト実行委員会」が、安保関連法案制定を阻止するために、現役の大学生たちによって8月27日(木)より国会正門前でハンガーストライキを決行することを発表した。 声明文 - 学生ハンスト実行委員会「僕らも生命をかけてやるという覚悟はある」と…