学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

民意という至高の声

都議会議員選挙が終わってから、マスコミ報道でチラホラとお決まりのような遣り取りを耳にする。番組を変えても局を変えても同じだから、少し異様なものも感じる。次の遣り取りを耳にしていないだろうか? マスコミ「小池チルドレンが誕生し、議会(立法府)…

豊田真由子議員の騒動

「お前、頭がオカシイよ!」 「支持者を怒らせるな!」 「このハゲー!」 「ちーがーうーだろ!」 「生きてる価値ないだろ」 この一週間、テレビから流れに流れ続けた豊田真由子衆議院議員の暴言。暴言に加えて暴行までしていたという。文部科学大臣政務官ま…

本質的モノの見方

少し前から政府が「働き方改革」を推進している。日本人は「エコノミック・アニマル」だと海外から揶揄され、働きバチに喩えられてきた過去からすると、社会風潮の移り変わりを感じずにはいられない。僕が少年だった頃の常識はどんどんと覆っていく。「亭主…

再生が求められるとき

先の5月21日の投稿(「論理と人情」)の中で、「ご退位検討をめぐる有識者会議での発言に陛下がショックを受け、不満を示された」との毎日新聞報道が宮内庁によって否定された。そのような事実は全くないということだった。 僕は前回の記事を書いた段階で、…

論理と人情

先帝陛下のご兄弟は、秩父宮様、高松宮様、三笠宮様がおられ、三笠宮様には寛仁親王殿下、桂宮様、高円宮様がおられたが、すでにお隠れになられた。今上陛下のご兄弟には常陸宮様(81)がおられる。皇位継承者は徳仁親王殿下(57)、文仁親王殿下(51・秋篠…

楽観的に目標を見て、悲観的に手段を考える

昔、自分の影響力が自分のみだった頃、あるいは友達と対等に接している頃、僕の発言は自由気儘に思った通りを言っていれば済んだ。ところが、いやしくも教壇に立つようになると、その発言は「回答」ではなく、ある種の「正解」になってしまうのである。僕の…

言葉を語る職業

「政治家」を英訳するとき、気をつけねばならないことがある。それは、politician と statesman の2つの英単語があるからだ。言葉が複数ある以上、これらには必ず相違がある。ということで、まずは辞書にあたってみよう。 [politician]A politician is a pe…

表世界と裏世界

久方ぶりの更新である。言い訳にしか過ぎないが、年度の終わりと始めは目を回すような忙しさで、ブログ執筆を怠けていた。この間、各方面から何人か書くように促されたが、今日の今日まで延ばし続けてしまった。 さて、今回のテーマであるが、森友学園問題を…

ポスト・ヒューマンについて

つい先日、インターネットを利用して、アメリカ合衆国から商品を購入してしまったが、これは決してトランプ大統領への協力ではない。Buy Americanでアメリカ合衆国の富創出の枝葉に参加してしまったが、この商品を注文したのは就任演説以前である。こう言い…

ポスト・グーテンベルクについて

新春特別企画4回シリーズの第3回目は、「ポスト・グーテンベルク」についてである。前回までと同じ要領で、「ポスト」は「~の後」という意味なので、今回は「グーテンベルク」についての話から始めたい。 グーテンベルクは、ヨハネス・ゲンズフライシュ・…

ポスト・ナショナルについて

新春特別企画4回シリーズの第2回目は、「ポスト・ナショナル」についてである。第1回目と同じ要領で、「ポスト」は「~の後」という意味なので、今回は「ナショナル」についての話から始めよう。「ナショナル」とは「国家の」とか「国民の」という意味の…

ポスト・モダンについて

新春特別企画4回シリーズとして、当ブログの時代の捉え方について、第1回目は「ポスト・モダン」について扱う。実はこの「ポスト・モダン」は言葉としてよく耳にするものの、各論者の文脈によってさまざまに定義され、これと明確な姿を描けない。実に曖昧…

あけましておめでとうございます

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 当ブログは世の中のいろいろな出来事をポスト・モダン、ポスト・ナショナル、ポスト・グーテンベルク、そしてポスト・ヒューマンな視点から時代を考えるというものをコンセプトにがんばっております。2016年はAI…

日本という国のかたち

日本という国は、「二重構造」の国だと思うんです。美濃部達吉の「天皇機関説」というのがあって、日本では昔から天皇が権威を持ち、実権に正当性を与えてきたというような説明を受けるんですが、天皇にも実権はあったと思います。でなければ、中国のように…

歴史はイギリスから始まる

アメリカ大統領選挙が予想外な結果に終わり、驚きを持ってその結果を受け止めた。もっとも、僕の知性が愚かだから驚きであったのかもしれない。 今年9月27日のブログ記事「米国の大統領選」の中で、長い大統領選は候補者も国民も双方が国政について学び、考…

政治家の資質

TPPを巡る国会の攻防戦が続いているが、民進党は非常に見苦しい。党首の「あなたがそれを言うか」という発言が相次ぎ、自ら身を正すべきではないかと呆れつつ、ニュースに接している。あのいつも立てている長い襟を正すべきと思いながら。もし僕の発言が…

欺瞞の世界

核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定を目指す決議案が国連総会の委員会で採決にかけられ、123か国の賛成多数で採択された。この決議はオーストリアなど核兵器を保有しない50か国以上が共同で提案したもので、核兵器を法的に禁止する初めての条約の制定…

三笠宮さま、ご薨去

本日朝8時半頃、三笠宮崇仁親王殿下がご薨去されました。謹んで哀悼の意を表します。三笠宮さまは100歳でした。今年の1月や4月にはご公務にもお姿を見せられ、お元気そうなお姿を拝見していただけに、とても残念です。 三笠宮さまは、三男の高円宮さま、…

プミポン国王、崩御

チャクリー王朝第9代のタイ国王ラーマ9世プーミポンアドゥンラヤデート(タイ語: ภูมิพลอดุลยเดช、「大地の力・並ぶ事なき権威」の意)が崩御された。1946年に即位されて以来、世界最長70年の在位を重ねられてきた。深い哀悼の意を表する。 今月9日に王室…

五輪と支出

最近の東京オリンピック・パラリンピックの開催場をめぐる一連の報道を見ていると、かなり穿った見方だし、まともな見方ではないが、掛かる総費用が3兆円に達しても良いのではないかと思うことがある。 というのは、公共事業の目的は、不況時に政府が強引に…

議論のルール

かつてインターネット上で「フィンランドの小学5年生が考えた議論のルール」なるものが流れた。これは以下の本で紹介されたものだという。この本の紹介と「議論のルール」を以下に記す。 図解 フィンランド・メソッド入門 作者: 北川達夫,フィンランドメソ…

米国の大統領選

クリントン氏とトランプ氏の支持率が拮抗している。クリントン氏が46.6、トランプ氏が44.3である。そして、今日から公開討論が行なわれる。 今日の第1回はニューヨークで開かれ、そのテーマは「内政」である。第2回はミズーリで行なわれ、ここでは有権者か…

怖い熱病

小池都知事がリオ・パラリンピックに旅立つ直前、政治塾を開設する意向を示しました。これは、翌日に自民党都議連が知事選挙の時に小池氏を応援した区議らに離党勧告を出したものに先手を打ったものと思われるが、こうしたあたり、したたかに政治家だなぁと…

「都民ファースト」の危うさ

小池都政が本格的に始動した。築地市場の豊洲移転の延期を決め、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会議長の森喜朗氏との会談もすべてマスコミに公開しての会議とするなど、矢継ぎ早に行動している。9月28日から始まる都議会へ向けて、副…

長谷川慶太郎について

長谷川慶太郎と言えば、1980年代から1990年代前半までのオピニオンリーダーだったと思う。彼の広い人脈と精力的な行動に裏打ちされた取材、その結果としての著作物には、中高大生の僕にとってワクワクさせられるものであった。世界へと目を開き、見知らぬ情…

中国の変調

2016年8月16日配信の日経記事だが、これを読んで僕は記事にあることとは違うことを感じた。『円高や株安で海外の投資家や富裕層が購入していた「億ション」の動きが鈍っている』とのことだが、本文では台湾人が挙げられているが、これは主に中国人のことで…

政治への信託

世界における最近の選挙関連を見ていると、政治に対する信託の危機にあると思える。英国におけるEU離脱の国民投票や米大統領選のトランプ氏優勢、東京都知事選挙における小池女史の躍進など、既存の支配階級に対する国民の「NO!」は世界的現象のように見え…

中国流護送船団方式

戦後の日本の経済体制下では、「護送船団方式」と呼ばれた体制があった。「護送船団方式」とは、軍事戦術の一つで、船団の中で最も速度の遅い船に速度を合わせて、全体が統制を確保しつつ進んでいくことである。戦後、日本の特定の業界において、行政官庁が…

手帳準備

さて、今年9月以降の僕の手帳は、手のひらサイズになりました。半年ほど残っている1日1ページ手帳は引き続き自宅で記録を残していくとして、こちらの手帳は基本的には持ち歩きます。9月以降の秋学期からは講義後にメモを残していけるようになりますし、…

手帳と僕

さて、今日から8月になり、ラインの手帳の話題もチラホラとネットでヒットするようになった。僕は手帳にはかなりこだわりを持っている。手帳にというより、文房具にと言ったほうが正鵠を得ているかもしれない。手帳を含む文房具は僕の生活の中心であり、よ…

電車へGO

さて、世界中で旋風を巻き起こした「ポケモンGO」が日本でも配信され、大きな話題となっている。経済効果や引き籠り外出効果など、プラスの要素がかなり大きな要素として伝えられている。 しかし、世界各国同様、マイナスな要素も発生している。名古屋市で「…

知の源泉としての哲学

この画像は、とある本屋さんの一角である。「哲学」という言葉が面と向かってタイトルにある本が多いことに驚く。少し前には「哲学」は難解で、なんとも近寄りがたいものとして敬遠されてきたように思う。せいぜいがビジネス書として誰かの「人生哲学」とか…

人が言葉を持つということ

さて、こういうのは、どのように解釈したらよいのだろうか。さんざん中国は攻めてこない、自衛隊はいらない、米軍はいらないと言ってきた人々が、目の前に脅威が迫ると、このように言い始める。ともに酒を酌み交わして理解し合い、9条を盾に脅威に立ち向か…

盗っ人猛々しい

今日は暦では「大暑」。24節気の一つで、一年で最も暑い日と言われるが、僕の住む関東では梅雨明けが遅れ、23℃と5月の陽気である。季節感が狂う昨今ではあるが、狂ってきたのは人の感覚、人の常識も同様のようだ。 奨学金を巡る問題が、少し前から巷間話題…

都知事選で推す候補表明

東京都知事選が展開されている。およそ候補者の公約なども明らかになってきた。そこで、ブログも一つのメディアであるから、欧米のメディアに倣って、当ブログでも政治的立場を表明しようかと思う。特定の思想がどうというのではなく、今回の都知事選におい…

ブーメラン

最近の政治家、マスコミ評論家、運動家にたいして、言葉をないがしろにしているなぁと強く感じる。公的な場で発言をして、その自分の発言の重み、影響力を考慮できていないばかりか、その場しのぎの軽い言葉が横行している。あまりにも発言が軽いので、一つ…

主権者として考えよ

陛下の生前譲位にまつわるニュースが14日(木)午後7時、NHKによりスクープされた。まず、指摘しておきたいことは、この話題はスクープ記事には馴染まない。宮内庁の公式発表を待つべき内容であり、宮内庁への取材を進めていく中で宮内庁声明として引き…

東京都知事選告示前

7月11日、エネルギー閣外相のアンドレア・レッドサム女史が保守党党首選を辞退したため、テリーザ・メイ内相が保守党の党首となることが決まった。これを受け、キャメロン首相は7月13日に首相を辞任し、同日、メイが首相に就任する。英国には議会での首相指…

英保守党の党首選

退院からおよそ2週間が過ぎた。最初の1週間は自宅で安静にしつつ、毎日、散歩に出かけた。9日間の入院生活だったが、思ったよりも体力が低下していた。散歩から帰宅したら、いつの間にか昼寝というのが日課になっていた。そして、今週から仕事に復帰し、…

Brexit(ブレグジット)問題

ここ数日、英国のEU離脱を巡る国民投票結果が話題に上っている。実は投票日当日の前後、僕は入院していたので、けっこうリアルタイムで膨大な情報にアクセスできていた。まずは情報をまとめてみよう。 もともとの不満は、「移民」に対するものである。しか…

18歳選挙権をどう見るか

6月19日に改正選挙法が施行されて、今夏の参議院選挙より18歳選挙権が実施される運びである。これをめぐって、テレビや新聞などで議論が交わされている。施行されてから何をいまさらとも思ったが、実際に18才、19才の新有権者に投票に行くかどうかと問い掛…

伝統と革新の混在

アメリカは世界的にも先進国で、奴隷制度の廃止、民族自決原理、女性の権利の保護など、多くの政策を実行してきたことで知られる。女性に開かれた社会、女性の社会進出、女性の管理職の誕生など、フェミニズムさかんなお国柄である。 先日、民主党の大統領候…

そもそも政党とは

今回は政党について考察をしたい。Wikipediaによると、次のように定義されている。 政治において政策や主張に共通点のある者同士が集まって、意見の集約と統一された政策の形成を図り、政策の実現に向けての活動として、政権を担当もしくは目標とし、議会の…

ミクロ的問題が根源にある

先日、僕は「学力崩壊の大学教授」という記事の中で、討論をする際には、①事実に基づいた認識、②理想(目的)と現実(手段)を明確にすること、③自分の都合の悪い事実や意見こそ重視する、という3点が非常に尊重されなければならないと主張し、憶測や推測で…

舛添知事問題

都知事が問題になるという珍妙な出来事が起きている。センテンス・スプリングこと文春の記事に発端を持つこの問題であるが4月29日の「舛添都知事、ありがとう」の記事内でも書いたが、これは法律問題でも政治問題でもなく、モラルの問題であると僕は主張し…

学力崩壊の大学教授

毎週月曜の23:15から放送されている「橋下×羽鳥の新番組(仮)」を視聴している。久しぶりに「まともな討論番組」かと期待していたのだが、レベルの低い大学教授の出演によって、その質を大いに下げられていることが不満だ。 森永卓郎教授は「論客」という…

米大統領専用車

伊勢志摩サミットが始まるのに合わせ、オバマ米大統領の専用車も日本にやってきた。今回は、その車についてメモを残しておきたい。あちこちからの情報のツギハギになるが、メモを残す価値はあるだろう。まずは外観である。 立派な車である。キャデラックとい…

皮肉は潤滑油

上の画像は、左が東京オリンピック2020のロゴ、右はアメリカの雑誌の表紙で、招致を巡る過程の中で疑惑があったとされる贈収賄疑惑を皮肉ったもの。ロゴの部分が一万円札になっている。札束が飛び交ったとされる疑惑報道の象徴的な図柄となっている。 皮肉と…

アメリカの伝統

5月5日の菖蒲湯から上がり、菖蒲の残り香を楽しみながらネット・サーフィンをしていると、面白い画像が飛び込んできた。 上の画像はアメリカのタブロイド紙の一面見出しだが、共和党のシンボル「象」が死んだという記事になっている。少し訳出してみよう。…

憲法記念日に思うこと

昨日の憲法記念日をきっかけとして、憲法に関する言説をいくつか見かけた。いわゆる護憲派か改憲派かというあたりに焦点があるようだ。そこで、ちょっと考察をしてみたい。 1945年以降に限って国際比較をすると、アメリカは6回、カナダは1867年憲法が17回、…