学際知の地平

ポストモダン・ポストナショナル・ポストグーテンベルク・ポストヒューマンな時代に不気味な民主主義を考える

餅は餅屋へ

池上彰氏が6日、『文春オンライン』(文藝春秋社)のコーナー内で、ニュース番組に芸能人が出演していることについて苦言を呈した。30代会社員から「最近はテレビのワイドショーや報道番組にジャニーズ(事務所所属のアイドル)をはじめ、たくさんの芸能人が…

他山の石と成せ

昨日のブログをアップしている時と同じくして、日大の内田監督と井上コーチの会見が行なわれていた。それにしても、ひどいもので、昨日のブログで予想したように直接的に学ぶことはなかった。しかし、「過ちて改めざる、是を過ちという」という論語の言葉を…

罪を憎んで人を憎まず

日大アメフト部の加害者となった男性の記者会見を見て、思うところをつらつらと書いてみようと思う。ちなみに、記録が残るインターネットの特殊性に鑑み、彼の将来を応援する意味でも、ここでは彼の名前などの個人情報は載せないので、もし、コメントする人…

常識と良識

こうした概念の問題にあたるときは、まずは辞書(広辞苑)を引いてみる。 常識 普通一般の人が持ち、または、持っているべき標準知力。 専門的知識でない一般的知識とともに、理解力、判断力、思慮分別などを含む。 良識 偏らず適切・健全な考え方。そういう…

人の振り見て

巷間、TOKIOメンバー山口さんのアルコール依存症が話題に上っている。彼がアルコール依存症なのかどうかはさておき、「依存症(中毒)」なるものに僕の意識が向いた。 僕が日常で目にする依存症は、スマホである。老若男女を問わず、町中はスマホ依存症患者…

自分の軌跡

当ブログへのご訪問、誠にありがとうございます。こんなにも遅筆のブログなのにもかかわらず、平均すると、1日あたり30~40人にお越しいただいており、月平均1000~1200人もの人々に読んでいただいております。開設からの累計でもう少しで5万人を達成しま…

ベクトルの混在した世界

「低欲望社会」と言われるようになって久しい。この言葉は2016年頃、経営コンサルタントの大前研一さんが名付け親のように記憶しているが、「若者の○○離れ」に代表されるような現象を指す。そして、僕はこれが従来の経済学が輝きを失う原因でもあり帰結でも…

完璧ということ

完璧主義者に安穏は訪れない。でも、完璧主義者には憧れる。なんせ仕事も遊びも完璧なのだ。とはいえ、しょせんは人間のすること。人間のすることに真の完璧ということは存在し得ないだろう。だから、人間のすることに完璧という場合、神学的・哲学的・思想…

まじめに真実を伝えるぞ。

胸襟を開いて真摯に、そして誠実に向き合えば、どんな人とも分かり合えるというのは人間関係における真実である。人の心に国境線はない。 北朝鮮の金正恩氏が中国を電撃訪問した。彼と彼の国の首脳部は国際的に信用に値する。訪中で得られた合意や決意は必ず…

順番を間違えるな

「科捜研の女」200回記念スペシャル「200の鑑定」(2018年3月15日放送)は、昨今の働き方改革やブラック企業、残業などの労働を巡る問題に対する番組からの1つの回答であったように思う。 番組では、日野所長が働き過ぎによって倒れたことがきっかけとなっ…

言葉の持つ威力

今日、職場で次のような言説を耳にした。 左利きの人は13人に1人。AB型の人も13人に1人。そして、LGBTの人も13人に1人。LGBTの人は決して稀な存在ではない。 これを耳にしたとき、口には出さなかったが感じたことがある。左利きは1種類、AB型も1種類なのに…

説明責任なるもの

2000年代に入った頃からであろうか、やたらと「アカウンタビリティ」なる経営学用語が日常生活に幅をきかせ、やがてカタカナでは通じにくいので「説明責任」と言い換えて、この言葉が横行してきたように思う。 話は少し逸れるが、「横行」という言葉が「秩序…

民主主義は原初システム?

今年の夏、文化人類学者のエマニュエル・トッドが新刊を出すという。今のところ、フランス語のものしか発売の告知がない。英語ないしは日本語でも発売されるとは思うが、秋以降になるだろうか。待ち遠しい。 さて、待ち遠しい理由であるが、発売に関するプロ…

言葉は品性

マーガレット・ヒルダ・サッチャー元英首相の父、アルフレッド・ロバーツが幼い娘によくこう言っていたそうだ。 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか…

「お金2.0」を読んで

今、ベストセラーになっている「お金2.0」を発売日に購入。「なるほど」と読んでいる間に、ビットコインが50%近く急落し、「おいおいおい」となった。印象深い読書となった。 この本を手にとってみようと思ったのは、「仮想通貨」なるものを胡散臭く感じ、…

第4次産業革命の世界とは何か

昨年から、人工知能(AI)とかIoTとか自動運転車とか仮想通貨とかフィンテックとかを耳にする機会が増えた。こうした変化は、第4次産業革命と呼ばれている。簡単に歴史をおさらいしておくと、第1次産業革命は18世紀末以降の蒸気機関ないし水力による機械化…

ハレの日は戻らず

振り袖販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)が突然休業し、成人式に晴れ着を着られない新成人が続出した事件をめぐる一連の報道に接し、いろいろと日本文化が表出しているなぁと感じた。本文を始める前に、まず被害者の皆さんにお見舞い申し上げます。 さ…

謹賀新年

あけましておめでとうございます。 平成30年(2018年)が幕を開けました。当ブログも半年ぶりの更新となります。ご無沙汰しておりました。いろいろと思うところもあり、また本業での佳境を迎え、ブログから遠ざかっていたことをまずはお詫びします。 さて、…

民意という至高の声

都議会議員選挙が終わってから、マスコミ報道でチラホラとお決まりのような遣り取りを耳にする。番組を変えても局を変えても同じだから、少し異様なものも感じる。次の遣り取りを耳にしていないだろうか? マスコミ「小池チルドレンが誕生し、議会(立法府)…

豊田真由子議員の騒動

「お前、頭がオカシイよ!」 「支持者を怒らせるな!」 「このハゲー!」 「ちーがーうーだろ!」 「生きてる価値ないだろ」 この一週間、テレビから流れに流れ続けた豊田真由子衆議院議員の暴言。暴言に加えて暴行までしていたという。文部科学大臣政務官ま…

本質的モノの見方

少し前から政府が「働き方改革」を推進している。日本人は「エコノミック・アニマル」だと海外から揶揄され、働きバチに喩えられてきた過去からすると、社会風潮の移り変わりを感じずにはいられない。僕が少年だった頃の常識はどんどんと覆っていく。「亭主…

再生が求められるとき

先の5月21日の投稿(「論理と人情」)の中で、「ご退位検討をめぐる有識者会議での発言に陛下がショックを受け、不満を示された」との毎日新聞報道が宮内庁によって否定された。そのような事実は全くないということだった。 僕は前回の記事を書いた段階で、…

論理と人情

先帝陛下のご兄弟は、秩父宮様、高松宮様、三笠宮様がおられ、三笠宮様には寛仁親王殿下、桂宮様、高円宮様がおられたが、すでにお隠れになられた。今上陛下のご兄弟には常陸宮様(81)がおられる。皇位継承者は徳仁親王殿下(57)、文仁親王殿下(51・秋篠…

楽観的に目標を見て、悲観的に手段を考える

昔、自分の影響力が自分のみだった頃、あるいは友達と対等に接している頃、僕の発言は自由気儘に思った通りを言っていれば済んだ。ところが、いやしくも教壇に立つようになると、その発言は「回答」ではなく、ある種の「正解」になってしまうのである。僕の…

言葉を語る職業

「政治家」を英訳するとき、気をつけねばならないことがある。それは、politician と statesman の2つの英単語があるからだ。言葉が複数ある以上、これらには必ず相違がある。ということで、まずは辞書にあたってみよう。 [politician]A politician is a pe…

表世界と裏世界

久方ぶりの更新である。言い訳にしか過ぎないが、年度の終わりと始めは目を回すような忙しさで、ブログ執筆を怠けていた。この間、各方面から何人か書くように促されたが、今日の今日まで延ばし続けてしまった。 さて、今回のテーマであるが、森友学園問題を…

ポスト・ヒューマンについて

つい先日、インターネットを利用して、アメリカ合衆国から商品を購入してしまったが、これは決してトランプ大統領への協力ではない。Buy Americanでアメリカ合衆国の富創出の枝葉に参加してしまったが、この商品を注文したのは就任演説以前である。こう言い…

ポスト・グーテンベルクについて

新春特別企画4回シリーズの第3回目は、「ポスト・グーテンベルク」についてである。前回までと同じ要領で、「ポスト」は「~の後」という意味なので、今回は「グーテンベルク」についての話から始めたい。 グーテンベルクは、ヨハネス・ゲンズフライシュ・…

ポスト・ナショナルについて

新春特別企画4回シリーズの第2回目は、「ポスト・ナショナル」についてである。第1回目と同じ要領で、「ポスト」は「~の後」という意味なので、今回は「ナショナル」についての話から始めよう。「ナショナル」とは「国家の」とか「国民の」という意味の…

ポスト・モダンについて

新春特別企画4回シリーズとして、当ブログの時代の捉え方について、第1回目は「ポスト・モダン」について扱う。実はこの「ポスト・モダン」は言葉としてよく耳にするものの、各論者の文脈によってさまざまに定義され、これと明確な姿を描けない。実に曖昧…